おしっこが全く出ない

 

アメリカンショートヘアーに良く似たオスの猫ちゃんが非常に弱って連れてこられました。

お腹を触ると硬く拡張した膀胱があり、ペニスの先には血液が付着していたので、

オス猫によくみられるFUS(猫の泌尿器症候群)によって尿閉(尿が出ない)を起こしている事が分かりました。

そのままでは命が危ないので、

鎮静処置をしてから導尿のためのカテーテルを入れようとしても、そのままでは入らず、

超音波スケーラーを使って尿道に詰まった粘土状の結石を振動で溶かしてからカテーテルを入れ、

膀胱洗浄を行うと、血尿とともに砂状の膀胱結石が大量に排出されました。

血液検査では腎機能の悪化がみられたため、点滴を開始しました。

留置した尿道カテーテルが詰まらないように注意して、排尿を確保し、

カテーテルを外しても自力で排尿できるようになれば退院できそうですが、

繰り返し尿閉を起こしてくる場合には手術で尿道の出口を広げることもあります。