おなかが張ってぐったりしている
急にお腹がはって、ぐったりしているとのことで、ワンちゃんが来院されました。
(18歳の雄のミニチュアダックスフンドです)
来院時には、心拍数が上昇し、ぼーっとした様子で、お腹がかなり膨らんでいる状態でした。
この段階で、このワンちゃんは急激な胃拡張により、腸管の血流が阻害され、全身の血流に異常をきたし、ショック状態を引き起こしていると考えられました。
すぐに血管確保を行ったのちに、レントゲン撮影を行い、胃内のガスの量および位置を確認し
胃拡張であると診断しました。また心拍数の顕著な増加、低血圧を認めた為、胃拡張によるショック状態であると判断し、治療を始めました。
下の画像が実際の処置前のレントゲン画像になります。
その後胃内ガスを除去する処置を行い、静脈点滴によりショック状態に対する治療も行いました。処置後に心拍数も正常範囲に戻り、血圧の安定、意識の安定を確認しました。
下の画像が実際の処置後のレントゲン画像になります。
最後に腹部マッサージ、異常なガスが発生しないように内科的処置も同時に行い、
治療を終了しました。
このワンちゃんのように、高齢の消化機能が低下しているワンちゃんは気温や飲み水の量などの変化により異常に胃内にガスが発生することがあります。
暑すぎる、寒すぎるといった厳しい気温は動物の体にも非常に大きな負担がかかりますので、
調子を崩さないように整えてあげることが大切です。