以前に比べると飲み水の量が多い(猫の場合)




高齢の猫さん(10歳以上)の場合は、腎不全(腎臓の機能が低下している状態)の可能性を第一に疑います。


検査として尿検査で、尿の比重というものを調べます。(厳密には違いますが、わかりやすく考えると尿が薄いか濃いかということを調べます)


腎臓とは本来、全身を流れる血液からフィルターのような役割を果たすことで、いつも私たちが見る黄色いおしっこを作ってくれています。


つまりおしっことして血液の不要な老廃物をたくさん体の外に出すことで、体は常に綺麗な血液で満たされるように保たれております。


しかし、年齢の変化や、腎臓内に小さい血栓ができたり、おしっこの通り道に石ができたりすることで、正常な腎臓に負担がかかることで、腎臓の細胞がダメージを受けてしまうことがあります。


腎臓のダメージがどんどん進むと、腎臓でうまくオシッコを作れないようになります。


腎臓が調子がよかった時は血液からいらない老廃物をしっかり集めた、濃いオシッコができていたのですが、腎臓が悪くなってしまうと老廃物をしっかり集めることができないので、うすいおしっこしか出せません。

老廃物のあまり入っていない薄いおしっこしか作り出すことができないと血液に老廃物がたまってしまいます。こうした腎機能が低下したことを示す薄いおしっこは尿を検査する事で見つけることができます。


腎不全の治療には点滴や腎臓の血流を増やすお薬や老廃物を出来るだけ増やさないようにするサプリ、腎不全の子の為の療法食などがあります。より早期に発見することで、治療の選択肢も多く、より快適に長生きすることができます。


現在の獣医学領域ではより精密な血液検査で猫さんの早期の腎不全を検出することもできますが、動物に負担のかからない尿検査でもかなり多くの情報を得ることができるため、飲み水が増えてきたと飼い主様が感じられるようであれば、ぜひ獣医師にご相談下さい。