犬のガムを食べてから苦しそうにする
犬のおやつとして与えられるガムですが、ほとんどが、牛などの靭帯や軟骨で出来ており、
ワンちゃんの好物ですが、よくかまずに、飲み込んでしまい、のどに詰まらせることがあります。
今回、小型のワンちゃんがガムを飲み込んでから、吐きそうなしぐさを見せるが、
何も吐かないという、症状で来られました。
呼吸の状態が落ち着いているので、気管や喉頭には詰まらせていないと判断し、レントゲンを
撮りました。(次の写真、向かって左が頭)
単純撮影では、ガムが食道にあるかどうかはっきりせず、食道造影を行いました。(次の写真)
その結果、食道の途中で、バリウムの流れが途絶えており、異物の存在が強く疑われました。
そこで全身麻酔を行い、内視鏡で異物の摘出を試みました。(次の写真はイメージであり、実際のものではありません。)
内視鏡にカンシを挿入し、食道内の異物を摘出しました。(次の写真、左の黒い棒が内視鏡の先端でその先から出ているのが
カンシ、右側の白い塊が摘出した異物)
この異物はガムの端のちょうど結んである部分で4センチもありました。乾燥した状態ではもっと小さかったはずで、
唾液によってふやけて大きくなり、吐くこともできず、食道から胃の方へ進むこともできず、食道内に停滞していたものです。
その後、麻酔が覚めてから、無事にお帰りいただきました。
好奇心の強いワンちゃんは色んなものを飲み込んで詰まらせることがありますので、おうちの方は注意してあげてください。