ぐったりして歩き方がおかしい

                          
子宮蓄膿症




  ぐったりして、歩き方がおかしいという症状で、8歳の柴のワンちゃんが来院されました。

来院時には発熱し、脱水によるショック状態を呈しており、非常に危険な状態であったため、すぐさま血管確保を行い、静脈点滴により治療しました。

血液検査、超音波検査の結果、白血球が増えており、子宮の拡張が認められました。

敗血症によるショック状態である可能性が疑われました。 

下画像は超音波断層検査での子宮の拡張所見です。



 敗血症とは体の中で細菌やウイルス感染により、全身で炎症反応が生じ、発熱や嘔吐、下痢、ぐったりする、低血糖などの症状を引き起こす状態の事を示します。

この子の場合は子宮蓄膿症による敗血性ショックと診断し、ショック状態に対する治療、抗生剤の投与により、ショック状態の離脱を確認したところで、子宮卵巣の摘出を行いました。

下画像は実際の摘出した子宮卵巣の画像になります。(内部に膿が溜まっていました) 



 手術後、このワンちゃんはすっかり元気になりました。

このように、ワンちゃんはショック状態になり初めて飼い主様が気づかれることが多い為、命に関わる危険なショック状態で来院されることが多々あります。

話せない動物の場合、嘔吐や下痢の症状でもいわゆる単純な胃腸炎でない可能性が多くございますので、早めの受診をお勧めします。